柏市消防局
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柏市消防局は、約43万人の管轄人口を1局、4署、7分署、職員数481人の体制で、市民が安心して暮らせる災害に強いまちづくりの実現に向け、日々、消防体制の充実を図っています。
千葉
- 業界
- 自治体
- 利用シーン
- 消防活動
- 利用開始時期
- 2022/7
Buddycom導入の背景
■現場での迅速で正確な情報共有が必要であるが、音声通話だけでは不十分であることがある
■音声通話だけでは伝えきれない情報がある場合、指示が不十分になったり、時間がかかってしまったりする可能性がある
■活動報告や報告書作成において、音声のみの記録では正確な情報共有ができない場合がある
Buddycomを導入した理由
消防活動の通信手段として、消防・救急デジタル無線機を活用していますが、同デジタル無線機の補助的な通信手段としてのツールを模索していたところ、映像も送信できるスマートフォンで使えるIP無線アプリ(Buddycom)があることを担当者の方からすすめていただきました。
導入後の効果は?
消防活動の指揮・調整から活動報告、活動記録作成まで様々な効果が得られました
まず、Buddycomを利用することで、指令センターと現場指揮隊の間で、音声通話だけでは伝えきれない情報をやり取りすることが可能になりました。
例えば、火災現場では、煙や火の勢いで現場の状況が常に変化していくなか、指揮隊が現場で目撃した状況を音声と映像で指令センターに伝えることができ、指令センターからの指示に従います。
これにより、より迅速で正確な指示が現場に届くため、消防活動の効率が向上しました。
また、現場活動中の指揮隊からの活動報告の音声が、Buddycomのチャット画面でテキスト化されます。
これにより、報告内容を記録する際に手間やヒューマンエラーが減り、より正確な活動記録を作成することができます。
さらに、活動報告のテキスト化は、活動の後に報告書を作成する際にも役立ちます。
以上のように、Buddycomを導入したことにより、指揮・調整から活動報告、活動記録作成に至るまで、多くの効果があります。
これらの効果により、消防活動の効率が向上し、よりスムーズかつ迅速な災害対応が可能になりました。
利用シーン
柏市消防局の指揮隊が、Buddycomのグループ通話とライブキャストで迅速に連携
現在は、災害現場活動を統率する「指揮隊」にBuddycomをインストールしたスマートフォンを配備し、情報連携ツールとして活用しています。
指揮隊には指令センターから指示を出す者と、消防隊員と共に現場へ向かい指揮をとる者がおり、指令センターと現場の間でスムーズなコミュニケーションが可能になっています。
指揮隊がBuddycomを利用することで、現場での指揮・調整を円滑に行うことができます。
例えば、緊急事態の際には、すぐに指令センターから指示を出したり、現場の状況を報告したりすることが求められますが、 Buddycomを使えば、現場へ向かった指揮隊は緊急事態に関する情報を素早く収集することができ、迅速な対応が可能となります。
消防指令センターでは、Windows版のBuddycomを利用しており、現場の指揮隊員からBuddycomで送信される音声と映像を受信し、情報の集約を行っています。
現場での状況や必要な情報を収集し、指令センターに正確に伝えることができるため、指令センターはより適切な指示を出すことができます。
指令センターからも必要な情報を現場に正確に伝えることで、消防活動全体の迅速かつ効率的な実施が可能となっています。
Buddycomは、災害現場での指揮・調整において、よりスムーズで迅速なコミュニケーションが可能となり、 国民や消防隊員の安全確保など、現場での迅速な対応につながると思います。
周辺機器について
火災現場にも強い、堅牢なスピーカーマイクを利用
柏市消防局では、火災などの災害現場での通信手段として、Buddycom推奨のAINA PTT Voice Responder – Bluetooth スピーカーマイクを使用しています。 このスピーカーマイクは、高耐久性であり、防水性能にも優れているため、現場での激しい動きや水に濡れることが多い状況でも安心して使用することができます。
また、通信距離が離れていても途切れることなくクリアに話すことができるため、現場での情報共有や指示のやりとりにおいて、迅速かつ正確なコミュニケーションを実現することができます。
BuddycomとセットでAINA PTT Voice Responder – Bluetooth スピーカーマイクを利用することは、災害現場において有効な通信手段であり、今後もさらなる災害対応能力の向上を目指して、活用が進められていくと思います。
今後の展開
今後は指揮隊だけでなく、すべての消防部隊にBuddycomを導入したい
Buddycomを利用した今後の展望として、現場活動する全ての消防部隊に対し、Buddycomをインストールしたスマートフォンを配備することが考えられます。
そうすることで、指揮隊が現場到着する前に、最も早く現場到着した部隊から、指令センターに現場映像を送信することができます。これにより、災害状況を早期に把握することができ、災害対応に迅速に取り組むことができます。
また、Buddycomを利用したコミュニケーションに加えて、位置情報を活用することで、現場での作業状況や進捗状況を把握することもできます。
これにより、指揮官は現場での作業状況を把握し、適切な指示を出すことができます。また、位置情報を利用することで、消防車両の配備や移動もより効率的に行うことができるでしょう。
さらに、Buddycomを活用することで、消防活動のデータを蓄積し、分析することも可能かと思います。 これにより、過去の災害対応における課題や改善点を分析し、今後の災害対応の向上につなげることができます。
Buddycomの利用は、指揮・調整から活動報告、活動記録作成に至るまで、多くのメリットがあります。Buddycomを導入することで、災害対応の迅速かつ正確な実施が可能となり、消防活動能力が向上することが期待されます。
黒須様
柏市消防局
指揮統制課 消防司令