渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会
渡良瀬遊水地は、絶滅危惧種を含む多くの貴重な動植物が確認されており、平成24年には世界的にも重要な湿地と認められ、ラムサール条約に登録されました。 この豊かな湿地環境を保全し、良質なヨシ原を保つと同時に、病害虫の駆除や野火の防止など、地域の防災にも寄与することを目的としてヨシ焼きを実施しています。
栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県
- 業界
- 自治体
- 利用シーン
- 野焼きの鎮火確認作業
- 利用開始時期
- 2023/3
Buddycom導入の背景
・各拠点間の連絡は電話に限られており、時間がかかり、手間が多く発生していた
・電話での指示出しは非効率であり、特にドローン班への迅速な情報伝達が困難だった
・ドローン班と管理本部、自治体メンバーと連携がとれていなかった
・ヨシ焼き実施本部と消防関係者との連絡方法に問題を抱えていた。
Buddycomを導入した理由
・複数の団体とのコミュニケーションがBuddycomひとつで可能になった
・広大なヨシ焼きの現場でも距離関係なく話せた
・画像や映像を使い、正確な状況を共有できた
・ヨシ焼き現場の各メンバーの位置が分かり、指示を出しやすくなった
・コミュニケーションツールをコスト削減できた
・月契約があるのが良い
利用シーン
ヨシ焼き現場にて、実施本部とドローン班、消防署、消防団、各自治体の連携にBuddycomを活用
栃木、群馬、埼玉、茨城で行われる渡良瀬遊水地のヨシ焼きは、「渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会」が主催しています。この行事は毎年春に開催され、湿地環境の保全や病害虫の駆除を目的としています。
実施本部と、ドローン班、栃木市などの6つの自治体、各消防署や栃木市消防団などがBuddycomを使って連携し、ヨシ焼きを行います。
<昨年からの取り組み>
ドローン班の運用: 実施本部では、Buddycomを利用して複数存在するドローン班の位置情報を把握。指定された地点の確認をドローン班に指示し、より網羅的な監視と迅速な対応を実現しています。
情報共有の強化: 現場確認班が確認した残火情報をBuddycomのグループ通話通じて実施本部へリアルタイムで共有。共有情報はドローン班への迅速な指示に活用され、効率的な火災対応に役立っています。
<今年に入ってからの新しい施策>
消防車両の位置情報管理: 実施本部がBuddycomを使って各消防車両の位置を把握できたことから、消火応援の依頼を的確に行えた。
消火活動の最適化: Buddycomを通じて、実施本部から現場全体の残火や消火状況を消防団に共有。消火団は次に取り組むべきエリアを迅速に特定し、迅速な対応が可能になっています。
画像・映像での遠隔支援: Buddycomで撮影した画像やライブキャスト機能(映像中継)を使い、現場で白煙が上がっているが火は見られない状態で鎮火としてよいかどうかの確認や、不審車を確認した場合の実施本部への情報提供、またドローンによる残火確認の消防関係者への情報提供を行えた。
このように、ヨシ焼きの現場ではBuddycomを用いた高度な情報共有が実施され、効率と安全性の両面での改善が見られています。
導入後の効果
Buddycomを使用した結果、距離関係なく会話ができるようになり、導入コストも大幅に削減
Buddycomを使用することで、多くの手間を省くことができました。渡良瀬遊水地ヨシ焼き連絡会では、様々な団体間で情報の全体共有が容易になり、音声、画像、文字情報の迅速な共有が可能となりました。これにより、複数の団体が一丸となって効率的に作業を進めることができるようになったのです。
実施本部は異なるエリアで発生している状況をリアルタイムで把握できるようになりました。これまで、ヨシ焼きの各現場で何が起きているのか把握が困難でしたが、Buddycomの導入によってその問題が解決されました。
従来、ヨシ焼きの現場では電話や長距離無線機を使うことが一般的でしたが、スマートフォンで使用できるBuddycomは、距離に関係なく使用できるため、特に広範囲をカバーするヨシ焼きのような活動においてメリットがありました。
また、無線機の設備投資と運用コストを削減し、同時に通信の利便性を高めることができました。
これらの点から、Buddycomの導入はヨシ焼きのような大規模な環境保全活動において、コミュニケーションの質を向上させ、コスト効率を改善し、全体の作業を円滑化する強力なツールとなっています。
今回Buddycomの使用により、渡良瀬遊水地ヨシ焼きでは、無線機による複数団体間の運用の違いを解消し、すべての関係者が統一されたコミュニケーションを取ることが可能になりました。
自治体は無線機を用意する必要がなくなり、効率的な連携が実現しました。
運用方法
Buddycomのグループ通話とチャットを使い分け
Buddycomのグループ通話とチャット機能を使い分けて運用しました。
<音声通話(グループ通話)機能>
緊急性の高い状況や、即座に応答が求められる状況で使います。トランシーバーのように使用され、対話を通じて状況の把握や指示の確認が行われます。
音声通話は、情報の伝達だけでなく、相手からの応答やフィードバックを得ることができるため、対話を通じて意思疎通を図ることができます。
<チャット機能>
緊急性が低いが、関係者全体に共有すべき情報がある場合に適しています。例えば、日程の変更や準備物のリストなどです。
指示や情報を一方的に伝えたいときに役立ち、応答を必要としない通知や確認事項の共有に使用されることが多いです。
Buddycomは、音声通話の内容をテキスト化することができ、情報の記録として残すことができます。
後から音声や文字で確認することが可能で、誰が何を言ったかの明確な記録が残るため、報告書等にも有効です。
舘野様
栃木県栃木市地域振興部
渡良瀬遊水地課ラムサール推進係 主査